猫の健康維持には腸内細菌も欠かせない!

猫野ひなた

こんにちは、ねこけん研究員猫野ひなたです。

今日は猫の腸内細菌について
詳しく紹介しますね。

皆さんはキャットフードを選ぶときに
こんな表示を目にしませんでしたか?

  • 乳酸菌配合
  • オリゴ糖入り
  • 腸活に食物繊維が豊富なサツマイモ

これって人間には腸活として
良いとされているものですよね??

でも猫にもいいのでしょうか?

ねこけんでは詳しく論文調査を行いました。

まず猫の腸内細菌の分布を紹介しますね。

参考 腸内細菌に関する研究anicom

こんなグラフを見せられてもだから何?!ってなりますよね。

猫の腸内細菌の割合は、人とは似ていないが、
最近濃度は人とよく酷似している。

また、腸球菌が多く、ビフィズス菌や乳酸桿菌がほとんどいないのが
特徴である。

簡単に言うとこんな感じですね。

ポイントは、
ビフィズス菌や乳酸桿菌が
ほとんどいない

ということですね。

なぜなら、キャットフードの紹介ページで
こんな表示みていませんか?

「オリゴ糖・乳酸菌配合!」

ビフィズス菌や乳酸桿菌がほとんどいないのにですよ。

では、少しはいるからこれが効果的なのか
どうか見ていきましょう。

皆さんもGoogle scalar(世界中の論文検索ができる)で
調べてもらうとわかるのですが、
この猫の腸内細菌に関する論文が、
利益相反のある論文ばかりなんです。

よくよく読めばわかるのですが、
最初は効果はあっても続けていくと
それは元の状態に戻るとあるのに、
結論では、効果があると出されているんですね。

私が調べて利益相反のなかった論文を紹介します。

参考 Past, Present, and Future of Gastrointestinal Microbiota Research in CatsPMC

2020年7月24日に発表された論文です。

この論文は近年の猫の腸内細菌の研究について
まとめたものです。

この論文曰く、

腸内細菌が、猫の健康に関係することは
間違いない。

猫の潰瘍性大腸炎が糞便移植で治癒した。

腸活といえば食物繊維やオリゴ糖や乳酸菌だが、
これらの研究は過去10年では、
腸内細菌の変化は極々わずかであり
正確な結論を出すことができていない。

しかし、猫は、厳格な肉食食への進化的適応の一部として
短い結腸と機能的な盲腸の欠如にもかかわらず、
猫の後腸でかなりの微生物発酵が起こる。
猫の微生物叢は、プレバイオティクスを含む
幅広い食物繊維を発酵させることが
できることが示されている。

つまり、猫の健康維持には
腸内細菌が大事だけど
どうすればいいかは
わかっていないよ。

一番簡単なのは
健康な猫の糞便移植だよ!

ということです。

そしてこちらの論文も紹介します。

参考 Activation of butyrate-producing bacteria as well as bifidobacteria in the cat intestinal microbiota by the administration of 1-kestose, the smallest component of fructo-oligosaccharidePMC

フラクトオリゴ糖の構造成分であるケストースを
10週間投与したことで
腸内細菌がどう変わるか見たものです。

結論は、2週間〜4週間後は
ビフィズス菌等が増えたが
10週間後にはほぼ最初に戻った。

という論文です。

元々腸内細菌を変えるには2年、
定着に5年と言われています。

そのためたった10週間の投与では
変わらなかった可能性が非常に高いです。

また腸活の一つとして、食物繊維があげられ
サツマイモを原料に含んでいる
キャットフードが最近目につきます。

この食物繊維には、このような指摘があります。

  • 腸内環境とたんぱく質の消化率の両立は相反する。
  • 水溶性食物繊維によってたんぱく質消化率は一般的に低下する。

このことから、非常に高い割合で
含まれているキャットフードには
注意が必要です。

自分が選んだキャットフードの
原材料の割合がどのようになっているのか
しっかり把握して買いましょう。

あなたの猫の健康はあなたが握っています。